もう4月も中旬。
目黒川沿いのサクラが満開になったかと思えば
あっという間に茶色の軸と葉っぱだけが残されていて、
風に舞った花吹雪のあの絵はまるで夢だったかのよう。
こんな風に季節の移り変わりのスピードに
去年までは少し淋しい気持ちも抱いたけれど、
最近はなんだか愛おしい。
（時の流れを経験できることは、なんて幸せなんでしょう！）なんて、
まるでお紅茶片手にお庭で優雅に寛ぐマダムのようなコメントをしてみたり。
現状は相変わらず、いくつもの事をジャグリング状態で
特に何が変わったってこともないけれど。。
それに、
なんにつけても「カワイイ！」ってコメントすることが増えてきた。
咲き誇る淡いサクラのピンク色にも、
ビューラーでいい感じの角度でカールさせたまつげにも、
名の知れない小さな天然石のイビツな形にも、
なんとか頑張って立とうとする湯飲みの茶柱にも、
目を輝かしながら体を乗り出すベビーカーの赤ちゃんにも、
珍しく綺麗にぬれたマニキュアの指先にも、
皺がよって小さくなった忘れかけのオレンジにさえ。。。
なんか、ただただ「カワイイ」。
というのも、
ここ最近あんまり使ってこなかった、
いや、敢えて使わなかったこの「カワイイ」いう形容詞。
昔から何かにつけて「カワイイ」とだけコメントする日本女子たちに
ちょっとイラっとして、敢えて自分は違うコメントしてみたり。
しっかりしなきゃとか、
ちゃんとしなきゃとか、
そんな「自立」への思いが先立って、
「カワイイ」って言ったら”負け”みたいなものが自分の中にあったらしく。
でも「カワイイ」ものはやっぱり「カワイイ」。。（と認めざるを得なく）
そこに勝ち負けなんて気にする必要もなく。。（もうみんな知ってるか笑）
それに、そのコトバを口にした自分自身が一番ホッコリしてる♡
とういうか、「女子」を感じる。
ここ数年前のめり過ぎて、フンワリとした「女子力」を忘れていたのをふと今思い出しながら、
ちょっとハッとする。
見かけや持ち物はそれなりにオンナっぽいけど、
さてココロは方は？？
誰かに助けを求めたり、頼ったり、甘えたり、できてたかしら。。？
もともとブリッ子ちゃんなら簡単にできることも（はい、私の母です笑）、
アネゴキャラだったり、多くの“頼りがいのある女子”や”戦う女子”にとってはかなり厳しい。
一種の大きな分厚い壁だったりもする。
上目使い越しに「ねぇ、やって〜」なんて、死んでも言えない！とか。
でも、、
自分のキャパを超えるもの、自分じゃ上手くできないものを素直に認めることの大切さ。
そして、自分以外の能力ある誰かに勇気を持って委ねること。
「あとはよろしくね〜！」
って軽やかにそのバトンを渡すように。
私たちの中にある”女性性”を大切にしていくことは、物事への視点をも変えていくよう。
自分にとってより優しい判断は、結果的にベターな状態へと導いてくれる。
そう、「カワイイ」がもつ何か緊張感のないポワ〜ンとした感じ。
それが今はちょっと必要、、かな？
そう言えば、、
底抜けに明るかった私の祖母は、
誰からも愛されていた4月生まれのカワイイおばあちゃん。
よく真面目な顔してジョークを言ったあとで、
「なーんちゃって！」と言って、それからニコッと笑う。
どこにいても”春”を運んでくれるような、
サクラの花びらみたいに可愛らしい人。
軽やかで、朗らかで、
暖かい風に触れてでもいるかのように、
一緒にいるととっても心地良くて幸せな気分にしてくれる。
その秘訣は、自分と他人両方への思いやりと人生を楽しむ知恵にあり。
日々の中で「カワイイ」と感じることは、
ささやかなるモノを愛おしく感じる心。
まるで冷たい水底でキラッと光る宝石を発見した時みたいに、
内側を一瞬にして明るくする何か小さな発見が１日１個でもあれば、
１週間で７個、1か月で３０個、１年で３６５個！
その光の粒が少しづつ増えていって出来る豪華なシャンデリアは、
きっと曇りの日の暗い部屋をサンサンと照らしてくれるやさしい太陽に変わる。
春の訪れと共に私の中で再加熱する「カワイイ」への賞賛は、
「待ってました！」っいう感嘆と同時にやってきた小さなサプライズでもあり。
大あくびをしながら色んな場所でニョキッと顔を出している新しい芽たちのように、
春は、きっとこんな風に不思議な再会や変化を運んでくるのだと思います。
ゆるキャラを生み出した日本人の素晴らしい”のん気スピリット”を自分の中にも今取り入れて笑、
歳を重ねる毎により緩く、柔らかく、そして穏やかに。
そして、いつか熟した桃みたいに軸のある可愛らしい大人の女性へ。
皆さま、どうぞハッピーな週末をお過ごしください🌸
A.
